金属価格の部屋では,金属価格の推移をデータとして公開しております。最近の金属価格のデータは色々なウェブサイトから入手可能ですが,過去の金属価格のデータになると公開されたデータも少なく,価格データを入手することが難しいのが実状です。本金属価格の部屋では,様々な資料から国際地金価格と国内地金価格を集めて,記載しておりますので,ご活用下さい。
銅,鉛,亜鉛の直近7年間の国際地金価格の推移を図1に示す。直近4年間の銅,鉛,亜鉛の国際地金価格は,徐々に上昇してきたが,2018年の始めに最高値を示した後,やや価格が低下した。しかし,足元の地金価格は再度上昇傾向にある。特に,銅は脱炭素社会への新エネルギー政策に対する需要期待と中国経済の回復傾向から,9,000 US$/tまで価格が上昇している
金,銀,白金等貴金属の直近7年間の国際価格の推移を図2に示す。直近5年間の金,銀,白金の国際地金価格は,大きく変動していないが,金はコロナ感染の増加やロシアのウクライナ侵攻等の社会不安の影響を受けて上昇傾向にあり,銀と白金価格も最近やや上昇傾向にある。
最近のニッケルとコバルトの国際価格の推移を図3に示す。ニッケルは中国等の需要が拡大して供給不足となり,2010~2011年には価格が上昇したが,2011年2月の28,252 US$/tをピークに下落しきていた。2016年2月には8,310 US$/tまで下落していたが,その後需給バランスが引き締まり,再びニッケル価格は上昇傾向にあり,2021年2月には18,568 US$/tまで回復した。一方,2010~2016年のコバルトは10~20 US$/lbで推移してきたが, 2017年より価格が高騰し,2018年4月には43US$/lbまで上昇して,その後下落している。2020年7月には13.8US$/lbまで下落したが,2021年に入って再度価格が上昇している。
図4に銅・鉛・亜鉛の国際価格の年平均値の推移を示す。また,図5に金・銀・白金の国際価格の年平均値の推移を示す。
図4より分かる通り,1980年~2000年代には,銅・鉛・亜鉛とも1,000~3,000US$/tで推移していたが,2005年度から中国等の需要増加に起因して価格が急騰した。2007年には銅価格は7,132US$/tまで上昇し,鉛価格は2,579 US$/tまで,亜鉛価格は3,250US$/tまでそれぞれ上昇した。その後,銅価格は一度下落後に再び上昇して2011年には8,823US$/tまで高騰した。2011年以降価格はやや低下し,2020年平均では6,169US$/tまで上昇しており,2021年に入って9,000 US$/tを超えるまで上昇している。鉛の場合もその後やや下落し,現在2,000US$/t前後で推移している。亜鉛の場合にはやや下落した後,再度上昇して現在2,800US$/t前後で推移している。
図5示した金,銀及び白金の国際価格の推移については,1980~1981年にはやや上昇したが,その後下落して2000年まで価格は低レベルで推移していた。その後,金,銀及び白金とも価格が急騰し,2011~2012年には金1,668 $/toz,銀35.2 $/toz,白金1,720$/tozまで上昇している。それ以降,それぞれ価格はやや低下したが,2020年には金1,770 $/toz,銀20.5 $/tozまで上昇している。金と銀は価格が上昇傾向にあるが,白金価格は2020年に884$/tozまで下落している。尚,図2に示した通り,2021年に入って白金価格は上昇し,1,200$/toz前後で推移している。
< 最近の非鉄金属価格の推移 >
表1及び表2に2019年1月から2023年3月までの4年間余りの非鉄金属価格(国際価格と国内価格)の推移を示す。
表1.最近の国際非鉄金属価格の推移 表2.最近の国内非鉄金属価格の推移
< 過去の非鉄金属価格の推移 >
表3及び表4に1980年から2019年までの40年間の非鉄金属価格(国際価格及び国内価格)の推移の年平均値を示す。
表3.非鉄金属の国際価格の推移 表4.非鉄金属の国内価格の推移