1.コバルトの歴史
古代エジプトやメソポタミアの人々は青色に輝く,美しいガラスをつくり出す方法を知っており,砂や石灰に加えることによってガラスを深い青色に発色させていた。この不思議な鉱物が,「コバルト化合物」の鉱物の一種で,紀元前3,000年頃よりガラスの発色材として利用されてきた。古代ギリシア人やローマ人は美しいダークブルーを呈するコバルト化合物を陶器製の釉薬に使ったり,コバルト化合物をガラスに添加してステンドグラスを作ったりしており,古くからコバルトは使用されていた。また,中国の唐から元時代にかけて作られた磁器の青い色はコバルト化合物によるものである。特に,ヨーロッパの王侯貴族をも魅了した「呉須」と呼ばれる顔料で精緻な絵付けをほどこし,透明な釉薬をかけて焼き上げる陶磁器「青花」は当時のヨーロッパの王侯貴族から人気が高かった。
歴史的に青色の着色剤として活用されてきたコバルトではあるが,一つの金属元素として認められたのは,18世紀に入ってからのことである。金属コバルトについては1737年にスウェーデンのゲオルグ・ブラント(G. Brandt)は鉱山から採掘された鉱石からコバルトを成分とする顔料を精製し,コバルト鉱石から明るい灰色の金属を最初に分離した。鉱石から最初に未知の物質「コバルト」は抽出され,その存在が実証されたのである。1780年には純粋なコバルトがスウェーデンの化学者(T. Bergman)によって作られ,コバルトが金属元素であることが確認された。1789年にLavoisierは最初にそれを周期表に追加した。中国陶磁器の「呉須」には天然のコバルトが含まれることが明らかになり,コバルト鉱石から青色の顔料を化学的に合成することが可能となって,ブルー&ホワイトの技法がヨーロッパに広まった。19世紀初頭には,酸化コバルトと酸化アルミニウムを主成分とする絵の具「コバルトブルー」が誕生し,コバルトは「青色」の塗料の代表的な存在となった。
また,コバルトの名称の起源は中世ヨーロッパの鉱夫の言葉から派生していると云われている。中世ドイツの鉱夫たちは,鉱山の穴に"Kobold(コボルト)"が住んでいると信じていた。コボルトとは,人間に何かと悪さをはたらく地の精や魔物のことで,銀の鉱脈を探し求めていた鉱夫たちは,採掘した銀色の鉱石から銀を取り出すことができなかった時,コボルトの魔法によって,なんの価値もない石に変えられてしまったと考えていたのである。その後,銀色の塊である鉱石そのものを「コボルト」と呼ぶようになり,最終的にCobalt(コバルト)の名称となったと云われている。
1874年にはドイツとノルウェーで少量のコバルトが最初に生産され,ニューカレドニアではコバルト酸化物鉱石が採掘されている。1903年にはカナダのオンタリオ州北部でコバルト,コバルト・ヒ素及びコバルト・ヒ酸が生産された。世界のコバルト生産量は1904年には16トンであったが,1905年には1553トンに急増した。1920年にはザイールのカタンガ州で銅とコバルトの鉱脈が開発され,コバルトの生産が世界最大となった。 また,モロッコでは砒素・コバルト鉱からコバルトが製造され,フィンランドではコバルト含有黄鉄鉱からコバルトが抽出されるようになった。
中国のコバルト生産は遅れて始まり,1952年に江西省の南昌で高炉コバルト石灰を製錬してコバルト製造を開始した。1954年には瀋陽製錬所が湿式亜鉛コバルトスラグを原料として電気コバルトの製造を開始し,1956年には江西製錬所が建設され,生産されたコバルト鉄は上海製錬所に送られて,鉄合金原料となっている。更に,1958年には甘粛省コバルト製錬所が地元のコバルタイトから酸化コバルトを生産した。地元のコバルト鉱物資源の大量採掘は困難であることから,1960年には冶金工業省の手配によりモロッコからヒ素コバルト鉱石の輸入が開始され,コバルト製錬が行われた。1966年にはHuludao亜鉛工場において,コバルト硫化物からコバルトを回収する最初の製錬設備を建設した。その後,南京鉄鋼プラント,Cobalt Workshop,Zibo Cobalt Refinery,Hubei Phosphorus Chemical Phertilizer Plantにコバルト製錬設備がそれぞれ建設された。また,甘粛省金川,四川宏,吉林ロックが銅とニッケル鉱石の製錬からのコバルト分離法を開発して,硫化銅とニッケル鉱石はコバルトの重要な資源回収ソースになっている。近年,中国の製錬所のコバルト製錬能力は急速に増加し,現在世界最大の生産能力を保有している。
2.コバルトの物性と特性
コバルトの元素記号は[ Co ]で,原子番号は27,原子量は58.933で,地球の存在割合のクラーク数は 4×10-3 (第29番目) である。結晶構造にはα, βの同素体があり,αは六方最密構造で,βは面心立方格子結晶である。コバルトは鉄に似た光沢をもつ金属で,硬さおよび剛性も鋼より大きい。αもβも強磁性だが1,075℃で常磁性となる。
物性値としては,融点1,495℃,沸点2,870℃,モース硬さは5,密度はd20=8.9,線膨張率は1.236×10-5/deg,比熱は0.10674ca1/deg/g(14~97℃),電気抵抗は5.6 μΩ・cm,熱伝導率は99.2W/m/Kである。
化学的性質としては,コバルトは遷移元素で,延性に優れる。また,安定したコバルト酸化物には2価と3価があり,250℃~400℃でCo3O4,800~1,000℃でCoOとなる。多くの元素と一緒に加熱するとしばしば発火を伴う合金化反応を生じる。例えばイオウ,リン,ヒ素,アンチモン,スズ,亜鉛,ケイ素など。ハロゲンとは容易に化合し,ホウ素とも高温で直接化合するが,窒素とは反応しない。鉄,ニッケル,クロム,マンガンと合金をつくる。鉄と同様に炭素を溶解して,炭化三コバルトCo3Cを生じるが,冷却しても析出せず,炭素の含有量が許容量を越えると黒鉛が析出する。微粉コバルトに225℃以下でメタンあるいは一酸化炭素を作用させると炭化二コバルトCo2Cを生ずるが,より高温では分解する。希塩酸および希硫酸には鉄よりも溶け難く,希硝酸には易溶,濃硫酸には鉄と同様に不働態する。
3.コバルト資源
コバルト含有鉱物の一覧を表1に示す。コバルト鉱石は銅やニッケル鉱などと共生するケースが多いため,銅やニッケル資源と賦存地域が重なることになり,コバルトは銅やニッケルを製錬する際の副産物として生産されることが多い。アフリカのコンゴ民主共和国やザンビア共和国では,銅と一緒に生成したコバルト鉱物が多く,カナダやロシアではニッケル鉱に付随してコバルトが生成した硫化物鉱が多い。また,コバルトの歴史にもあった通り,ヒ素を含むコバルト鉱石も存在しており,主なコバルト原料の一つとなっている。
表1.コバルト鉱物一覧表

表2にコバルト資源の埋蔵量と生産量(採掘量)を示す。埋蔵量が多いのはコンゴ,豪州,キューバ,フィリピン,ザンビア等であるが,コンゴが世界全体の半分を埋蔵している。資源生産量(採掘量)が多いのは,埋蔵量と同様にコンゴで,世界全体の半分を占める。次いで,中国,カナダ,ロシア,豪州,ザンビア,キューバ等である。その他,フィリピン,マダガスカル,ニューカレドニア,南アフリカなどの国にも資源生産がある。
表2.コバルト資源の埋蔵量と資源生産量

4.コバルト需要と供給
(1)コバルトの世界需給
世界のコバルト需給動向を表3に示す。Liイオン電池用コバルトなどの需要が堅調に伸びてきており,供給不足が心配される状況となっている。Liイオン電池の陽極材料としてコバルト代替材料が研究されているが,現時点ではコバルト離れが捗々しくなく,現在も高品質のLiイオン電池ではコバルトが必要となっており,本格的な電気自動車用のLiイオン電池の生産が本格化すると,コバルトの需要が更に増加し,供給不足となる可能性は高い。一方,ニッケルもLiイオン電池に使用されているが,ラテライト鉱などの新規プロジェクトからの増産が計画されており,用途の主体がステンレス鋼であることから,当面供給不足の問題は生じないと推測される。大半のコバルトは銅とニッケルの副産物として生産されており,銅は中部アフリカ(コンゴ、ザンビア中心とするカッパーベルト地帯),ニッケルはロシア,オーストラリア,カナダ,北欧で多く生産されている。
2007~2016年の世界の国別コバルト生産量推移を表3の上部に示す。中国は国家が主導してアフリカの資源国に投資して,資源を独占して確保しており,コバルトはその典型的な事例である。表4に記載されているように,中国は最近コバルトの増産が著しい。自国で採掘した鉱石だけでは不足するため,コンゴ,ザンビア等のアフリカの国で採掘したコバルト鉱石を輸入して,コバルトを製錬している。中国のコバルト原料の多くはコンゴから輸入した半製品のコバルトと言われている。コンゴ政府が昔のように金属コバルトの生産を復活させれば,中国は深刻な原料難に直面することが想定されることから,コンゴ以外の新規プロジェクトへの参加も積極的に推進していると云われている。 次いで,フィンランド,ベルギー,カナダ,ザンビアがあり,日本も4,305トンを生産している。その大部分を新居浜市にある住友金属鉱山のニッケル製錬所で生産している。
図3.世界のコバルト需給

(2)コバルトの国内需給
日本は2016年に年間8,318tのコバルトを消費し,中国,米国に次いで世界の需要の10%程度を占める。図1に国内におけるコバルト需要を示す。図1に示す通り,コバルトの需要はリチウムイオン電池用が主体である。(正極剤をLiCoO2としてLiイオン電池用Liの消費量から算出) 一方,コバルトには耐熱耐摩耗性があり,ニッケルなどとの合金は高い耐性を示し,強磁性の金属でもあるので,高耐食合金や磁石としての用途がある。近年,安くて磁着性に優れるネオジウム鉄磁石が普及しているが,熱的な安定性に欠けることから,熱安定性があり,耐食性の高いコバルトを使ったサマリウムコバルト磁石には一定の需要がある。また,耐熱性に優れることから,欧米等においては需要の約半数が航空機ジェットエンジン用の超合金向けとなっている。
国内の分野別消費量の推移を表4に示す。国内の用途としては、以前は航空機用の耐熱鋼やプラント用の高速度鋼などの特殊鋼が一番多かったが,現在はリチウムイオン二次電池の正極(リチウム酸コバルト)用が半分以上を占めている。リチウムイオン二次電池の正極材の用途が多いのが,日本市場の特徴でもある。近年,リチウムイオン二次電池の生産が増加して,正極材向けのコバルト需要が急増し,国内においては需要量の大半を占めるようになった。しかし,リチウムイオン電池の製造も,最近は韓国や中国のメーカーが積極的な増産を実施しており,国内メーカーの生産が衰退気味であり,コバルトの需要も減少傾向にある。
その他の用途としては,石油精製用の脱硫触媒,タイヤのスチールワイヤのバインダ(金属石鹸),焼き物の(青色)顔料(酸化コバルト)にも使われている。従って,特殊鋼,粉末冶金,有機酸,触媒,顔料,磁気記録媒体などコバルトの用途は多岐にわたる。
また,コバルトの供給としては,一部の小規模なリサイクル事業者を除けば,住友金属鉱山が国内唯一のコバルト生産者であり,国内需要の大半は海外からの金属,薬品の輸入によって供給されている。
表5.国内のコバルト需要と供給

図1.コバルトの国内需要

(3)コバルト輸出入
コバルトの主な輸入先はフィンランド,カナダ,ザンビア,ノルウェー,オーストラリアなどである。かつてのようにザイール(現コンゴ)が生産の半分以上を占めた時代とは異なり,輸入先は分散されており,しかもアフリカ以外の政情の安定した地域からの輸入が増えている。
コバルトの輸出先としては米国が最大で1,711t,次いで中国が1,033tと多く,主としてリチウムイオン電池材料,高耐食合金及び磁石としての輸出と推測される。輸出量合計は2016年3,552tであり,輸入量8,237tの43%であった。
表6.日本のコバルト国別輸出入量

5.コバルト地金価格
2005~2018年のコバルト地金価格の推移を図2に示す。コバルトは中部アフリカの銅鉱石に付随する分とニッケル鉱石の副産品として生産されるため,需要の変動に対する供給の弾力性に乏しく,価格の変動が激しい。また中部アフリカは政治的に不安定であり,過去にもザイール(現コンゴ民主主義共和国)で動乱が起こり,価格が高騰したことがあった。
コバルト地金(Co99.3%)価格は2005年頃には13~19 US$/lb(3,000~4,000千円/t)であったが, Liイオン電池用の需要の増加,短期的にはファルコンブリッジの工場のストライキ等の要因から大きく価格が上昇した。2007年には需要に供給が追いつかず,投機資金が投入されたこともあって価格は45~50 US$/lb (1,100万円/t)以上に歴史的な高騰を見せた。しかし,2008年5月には下がり始め,2015~2016年には10 US$/lb 前後(2,000~3,000千円/t)まで低下した。
その後,リチウムイオン二次電池の需要は確実に増加してきており,ヨーロッパや中国で電気自動車の導入政策が発表されたことから,価格は再び上昇する傾向にある。2017年に入って価格は再び上昇し,2008年4月には40 US$/lb 前後(10,000千円/t)まで上昇している。尚,コバルトの新規鉱山開発等の案件も多いことから,数年後には供給過剰になることも予想され、中長期的には価格は安定するものと思われる。
図4.コバルト地金価格推移

5.コバルト製錬所
(1) 世界の主要なコバルト製錬所
世界の主要なコバルト製錬所とその製造量を表7に示す。最近の生産量データが入手出来なかったため2002~2008年の製造データとなっておる。また,中国と南アフリカは製錬所毎の生産量ではなく,国全体の生産量となっている。
南アフリカの場合は2008年のコバルト生産は250tであるが,2016年には1,100tのコバルト製品を製造している。南アフリカでは白金製錬の副産物としてコバルトが回収されており,Rustenburg Base Metal Refiners Pty. Ltd. が硫酸コバルトを生産し,Impala Platinum Ltd. は金属コバルト粉を製造している。また,Western Platinum Ltd.は少量コバルトを含有する硫酸ニッケルを製造している。
中国の場合は2008年のコバルト生産は18,239tであるが,2016年には45,046tに急増している。この間に,コバルト製錬所数も急増したり,統廃合されたりしており,各資料に記載されている製錬所名も異なっていることもある。そのため,先ず最も確かだと思われるLME(ロンドンの金属取引所)に登録されている中国のコバルト会社を次に記載する。
LMEに登録されていることはその製錬所製品の品質と生産量が安定していることを意味している。2010年に登録された会社には,中国で最大のコバルト生産を行っているJinchuan Nonferrous Metals Corp.の他,KLK(Jiangsu Cobalt Nickel Metal),Yantai Cashがあり,2011年にはNantong Xinwei,Sichuan Ni&Co Guorunが登録されている。更に,2012年にはGuangzhou Yi Hao Umicoreが登録されている。
また,米国の地質調査庁が報告した2015Minerals Minerals Yearbookの中国のコバルトの生産状況によると,中国のコバルト生産は近年急増している。その用途はリチウムイオン電池の正極材で,半製品のコバルト原料をアフリカから輸入して生産している。コバルト製錬所は中国国内に大小製錬所を含めると,多数存在しているが,その内の10社で全体の90%を生産している。更に次の3社でその60%を生産しているとのことである。①金川集団国際資源(Jinchuan Nonferrous Metals Corp), ②Shenzhen GEM High-Tech Co. Ltd. (子会社 Jiangsu Cobalt Nickel Metal Co. Ltd.を含む),③ Zhejiang Huayou Cobalt Co. Ltd.
その他の国の金属コバルトの主要製錬所としては,フィンランドのKokkola (Freeport Cobalt Oy )カナダのVale Canada(Vale Inco)Port Colborn,ブラジルのVotorantim Metais,日本の住友金属鉱山,ウガンダのKasese,ロシアのNorilsk,ザンビアのMopani,インドのNicomet,モロッコのCTT,ザンビア Chambishi等がある。
表7.世界の主要なコバルト製錬所

(2)日本のコバルト製錬所
日本のコバルト製錬所は住友金属鉱山(新居浜製錬所)1社でニッケルマット,ニッケル・コバルトのミックスドサルファイド(ラテライト鉱から作った硫化物)からの副産品である。従来マット中にはコバルトが少なかったが,ニッケル・コバルトのミックスドサルファイド中にはニッケルの7~8%コバルト含まれているため,Coral Bayの2期工事が完成した後は,生産量が年間2,000t程度増加するものと思われる。
6. コバルト製錬技術
コバルトは銅鉱やニッケル鉱に随伴している金属なので,銅製錬所やニッケル製錬所の副産物として回収されている。そのため,銅やニッケルからの分離技術がコバルト製錬技術の特徴でもある。
1) 銅鉱石からの副産物として回収する製錬法
中央アフリカ(コンゴやザンビアなど)の銅鉱石にはコバルトが含まれており,銅電解液の浄液工程からコバルトを回収している。銅電解液の一部を抜き出し、不純物を取り除いた後、中和して水酸化Coにする。水酸化CoをCoの電解採取排液で溶解して電解給液とし、Coを電解採取して回収する。
図3.銅・コバルト鉱石からのコバルト製錬法

2) ニッケル鉱石からの副産物として回収するコバルト製錬法
Ni鉱石には硫化鉱と酸化鉱があり、それぞれ異なる方法で処理されている。
①硫化鉱の場合
硫化鉱からの主なCoの回収は、マット電解の陽極廃液から回収する方法とマットを直接浸出した浸出液から回収する方法とが行われている。それぞれの液にはマット中に含まれていたNi以外の不純物(Coも含む)が液中に溶け出してくるため、不純物を取り除いた後にCoを精製して回収する。
図4.硫化鉱からのコバルト製錬法

② 酸化鉱の場合
酸化鉱の処理法にはHPAL(高圧酸浸出)法とCaron(還元焙焼後アンモニア浸出)法がある。HPAL法では浸出液から不純物を取り除いた後、Ni,Coを硫化物あるいは水酸化物として沈澱濃縮し、再溶解してからNi,Coを回収する。一方Caron法では浸出液から硫化物としてCoのみを分離し、HPAL法と同様にして回収する。
図4.酸化鉱からのコバルト製錬法

7.コバルトのリサイクル状況
2011~2016年のコバルトのリサイクル率を表8に示す。2016年度の国内市場規模は8,318t見積もられるが,内訳としては国内のコバルト地金生産量が4,305t,国内の廃電池リサイクル量が313.1t,廃触媒リサイクル量は0t,原料・素材の輸入量から輸出量を引いた数値3,699.9tであるので,国内のコバルト地金の消費量は8,318tと推定される。国内の廃電池リサイクル量が313.1t,廃触媒リサイクル量は0tであるので,リサイクル量合計は313.1tなので,リサイクル率は3.8%と推定される。
表8.国内のコバルトリサイクル率

<引用文献>
1) レアメタルハンドブック2009 (独)JOGMEC監修 2009年4月 (株)金属時評発行
2) ECONOMICS OF COBALT 2007 ELEVENTH EDITION ROSKILL 2007年1月ROSKILL INFORMATION SERVICES出版
3) コバルト(Co) 鉱物資源マテリアルフロー2017 JOGMEC
4) U. S. Geological Survey, Mineral Commodity Summaries 2017
5) 現代の金属学製錬編第2巻「非鉄金属製錬」 日本金属学会編昭和57年第2刷